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メタボリックシンドロームとその対策

更新日: 2009年5月18日


 メタボリックシンドロームという言葉によって腹部肥満が注目されるようになってきました。七福神の神様の一つである布袋さまに象徴されるように、本来日本人にとって豊かさとおおらかさの表すものであったはずのでっぷりとしたおなかが、このような言われ方をするのはどうしてなのでしょうか。
 医学的には2つの説明ができます。一つは、腹部、特に内臓に位置する脂肪が、血圧を上げたり血中脂質を増やす物質を全身に分泌している事実が解明され始めたこと。つまり高血圧や脂質異常症の火種がここに存在するという考えです。もう一つは疫学研究の成果により、脳卒中や心筋梗塞といった生活の質をおとしめる病気は、偶然に起こるのでなく、高血圧や脂質異常症といった疾病と因果関係をもって起こることが明らかになったことです。原因がわかれば対策をたてることができます。
 メタボリックシンドロームはいわば我々の将来の健康寿命を延ばすための対策法です。腹囲の数字だけにこだわらず、血圧や中性脂肪値を総合的にみて、適切な対策をたてましょう。そして必要以上に頑張りすぎないでください、現体重の5%の減量でも効果的です。
 当院ドックのオプション検査では内臓脂肪量をCTで直接定量することができます。放射線量を少なくする工夫をしていますのでご利用ください。プリントアウトした結果を手帳に張ってダイエットのモチベーションを上げている方もおいでますよ。

北陸中央病院内科:大家理恵
専門:一般内科、糖尿病



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