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病院長 新年のご挨拶

更新日: 2024年1月1日


新年ご挨拶


 令和6年1月1日16時6分に発生した能登半島地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 皆さんは令和6年(西暦2024年)元旦の大地震をどこで、どの様に経験されましたか? 私は病院からの帰り道の国道8号線路上で、過去に経験のない震度5強の揺れを経験しました。揺れによりハンドルが取られ、安全な運転が出来ないと判断したため、約10分間路肩に車を止めて揺れが少なくなるのを待った後、帰宅しました。わが家の台所では食器が散乱して何枚かが割れているのを見て、改めて今回の地震のすごさを実感した次第です。震度7の激震を直接経験された奥能登地方の皆様には改めてお見舞い申し上げ、一日も早い被災地の復興をお祈りする次第です。
 新型コロナ感染症が始まってから約4年が経過し、昨年5月には感染症の第5類になりましたが、北陸中央病院では12月に40人を超える感染者を出し、通算で4回目となるクラスターを発生させてしまいました。病院としては感染防御に手を抜いた訳ではありませんが、患者さんもスタッフもやや油断した時に、この見えない敵は侵入して来て、我々に試練を与えてくれました。第5類にはなりましたが、なかなか手ごわい相手である事を実感した次第です。当院のICTメンバーのリーダーシップと多くのスタッフの協力により、何とか年内でクラスターを収束させる事が出来ましたが、患者さんやご家族に多大なるご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
 さて、令和5年を振り返りますと、国際情勢ではロシア・ウクライナ戦争が長引く中、秋には中東地域でイスラエル・ハマス間の軍事紛争が勃発し、全世界の政治・経済・友好に混迷の度を深めました。わが国においては、電力・ガソリン・生活必需品などの諸物価が高騰しているのに、労働者の賃金は上がらず、国民生活がだんだんと苦しくなって来ていると感じさせられた1年でした。このような時こそ、政治家のリーダーシップによって国民生活を向上させる施策を提案、実行して欲しいのですが、現状は権力の中枢にいた安倍派を中心に国益ではなく自己益を得る事に終始し、しかも法律を犯して裏金を蓄えていたという事実が明らかとなりました。そして、現職の政治家が逮捕されるという事態に陥り、さらにどこまで発展するのか予断を許さない状況です。まじめに納税して来た私達サラリーマンにとっては、誠に腹立たしく強い政治不信に陥った1年でもありました。昨年を表す一文字が「税」となった事も、まさしく世情をうまく表現した的確な選択であったと思います。
 2024年は色々な分野において、働き方改革への対応期限が迫った年になります。日本の医療は、病院の勤務医の自己犠牲をともなう長時間労働によって支えられてきたという一面もあります。しかし、令和6年4月から「医師の働き方改革」が始まり、時間外労働には原則、年960時間(月80時間相当)の上限が設けられますので、これまでの様に患者さんのために医師が長時間の勤務を行うことは、法的には許されなくなり、違反した場合には罰則もある事になりました。このことを解消できるのは、医師数を増やすしか対応策はないのですが、大都会を除いた地方においては深刻な医師不足の問題があります。北陸中央病院においても医師数はギリギリの状態でやっており、今年も医師の確保が最重要課題であると考えています。令和6年度も、各大学の医局に働きかけて、何とか現状の医師数が確保できるように、病院長として奮闘努力する所存であります。
 令和5年の北陸中央病院は、入院および外来患者数、手術数、検査数、人間ドック受診者数、救急車受入れ数など、ほぼ全てにおいて、前年度よりも増加しました。新型コロナで一旦減った患者数も、何とか増加に転じており嬉しく思っています。このことは、当院が今も地元住民の皆さんや、公立学校の先生方に支持されているという証でもありますので、今後も頑張ってさらに患者数の増加に繋げて行きたいと思います。経営的には、令和5年度もおそらくは黒字を達成できると見込んでいます。今年度の残り3ヶ月間も、スタッフと共に一丸となって頑張って、何とか経常収支の黒字を死守したいと思います。当院の母体は公立学校共済組合であって、公立病院ではありませんので、赤字を出した場合でも行政から多額の税金を注入してもらう事は決してありません。あくまでも独立採算制で経営している病院なので、赤字経営は絶対に避けなければなりません。患者さんが訪問しやすい敷居の低い病院となれるように、スタッフ一同、努力して行きたいと思います。
 令和6年の干支は「辰」ですが、龍(竜)は十二支の中で唯一空想の生き物であり、権力や隆盛の象徴であることから、活力旺盛になって大きく成長し、形がととのう年だと言われています。元旦から、大地震という厳しい試練を突き付けられた形となりましたが、皆さんにとっても北陸中央病院にとっても来るべき辰年(令和6年)が昇り龍の如く、「飛躍」「向上」の1年になりますように祈念したいと思います。
 最後になりましたが、皆さんの健康とご多幸をお祈りして、本稿を終わらせて頂きます。長文にお付きあい頂き、誠にありがとうございました。
                         (令和6年正月)