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病院長新年のご挨拶

更新日: 2025年1月1日


病院長新年のご挨拶


 皆さん、あけましておめでとうございます。令和7年は巳年(みどし・へびどし)です。蛇には一般的にネガティブなイメージもありますが、古来より豊穣や金運をつかさどる神様として奉られることも多くあり、神聖な生き物として認識されています。たくましい生命力があり、脱皮をするたびに表面の傷が治癒して行く事から、医療、治療、再生のシンボルともされています。巳年にちなんで、北陸中央病院も医療、治療、再生において蛇のように辛抱強く、粘り強く頑張って、患者の皆さんにとって今年が健康面において飛躍する1年になることを心から願っています。
 ところで、富山県の人口が昨年ついに100万人を割ったようですが、ご多分に漏れず小矢部市の人口も、1986年の37,055人をピークに年々減少が続き、2024年には27,897人まで減少しています。65歳以上の高齢化率は、小矢部市では37.4%であり、全国平均の29.3%、富山県の30.1%よりもかなり高くなっています。小矢部市の市街地の高齢化率は27.6%とまだ比較的低いのですが、山間部のある地区の高齢化率が47.1%であるのを筆頭に、多くの地区で軒並みに40%以上を記録しており、典型的な地方の過疎都市の様相を呈しています。以前から2025年問題として少子高齢化が一段と進むと言われて来ましたが、今年はまさにその2025年であり、予測されたとおりに小矢部市では少子高齢化が進んでいる様です。ちなみにお隣の石川県の人口も、昨年は46年ぶりに110万人を下回りました。
 さて、令和6年を振り返りますと、国際情勢ではロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東地域でイスラエル・ハマス間の軍事紛争も停戦の見通しが立たず、さらに内戦が続いていたシリアでは半世紀あまり親子2代続いたアサド政権が崩壊し反政府勢力が実権を握って先行き不透明な状態であり、どれもが世界の政治・経済・友好の面から見ると混迷の度を深めている感がします。一方、アメリカの大統領選挙ではトランプ氏が4年ぶりに復活当選を果たし、その事により今後の世界情勢がどの様に変わって行くのか? 不安を感じずにはいられません。わが国においては、昨秋の衆議院議員選挙の結果、自民・公明の与党は大敗北を喫し、自公政権は過半数割れの不安定政権となりました。これまでの自民党政治の悪しき慣例に頼っていては、政局は進まなくなっています。野党の案も部分的に取り入れる事により、国民の生活が良い方向に向いてくれる事を期待しています。石破政権が改正すべき案件は山積みですが、まずは30年以上続いているデフレ経済から脱却する事が第1であり、国民民主党が提案している103万円の壁の引き上げについて、果たして123万円よりさらに引き上げられるのか? が注目されます。首相になってから方針がブレまくっている石破総理が、どうやって求心力を高め、重要案件をまとめて行くのか? またどのようにして国民を納得させる改革が出来るのか? おおいに注目して、その成り行きを見守りたいと思います。
 令和6年の北陸中央病院は、入院および外来患者数、手術数、検査数、人間ドック受診者数、救急車受入れ数などのほぼ全てにおいて、前年度よりも減少しました。砺波医療圏の公立・公的病院の全てが当院と同じ傾向であったという事実からその原因を考えますと、まさしく2025年問題である少子高齢化をも通り越して、砺波医療圏では75歳以上の後期高齢者数そのものがすでに減少し始めているのであろうと推察しています。しかし医療の現場においては、チーム医療の推進や患者の高齢化、タスクシフト・シェアなどによって、人材の需要は明らかに増加しています。厚生労働白書によると、医療・福祉分野の就業者数は、2002年の474万人から2021年の891万人へと大幅に増加しており、国内の全就業者のうち、およそ8人に1人が医療・福祉分野に就業しているという計算になります。これを病院経営面から見ますと、患者数は減るが人件費は増えるという、たいへんに厳しい時代を迎えようとしています。当院が9年連続の黒字経営を達成できるかどうかは、地元住民の皆さんや公立学校共済組合の先生方に支持されて、当院を利用して頂いて患者数の維持に繋げて行く以外に方策はありません。皆さんが訪問しやすい敷居の低い病院となれますように、スタッフ一同頑張って行きますので、皆様の益々のご利用を心よりお待ち申し上げます。
 早いもので、昨年元旦に発生した能登半島地震という未曽有の災害から1年が経ちました。奥能登地域では、震災から復興途上の令和6年9月にも想定外の豪雨に見舞われ、地域の方々のご心労はいかばかりかと心中お察し申し上げる次第です。1日も早い復旧復興を心よりお祈り申し上げます。最後になりましたが、患者さんや公立学校共済組合員の皆さんにおかれましては、令和7年が健康で幸多き年となりますことを祈念して、本稿を終わらせて頂きます。長文にお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。
                                    (令和7年元旦)