嚥下(えんげ)訓練食
更新日: 2009年5月18日
当院では、摂食嚥下困難な人のための食事に取り組んでおります。リハビリテーション科作業療法士と協力して、嚥下訓練食を設けました。
摂食・嚥下のメカニズム
- 目で見て(食物の認識):唾をだし、飲み込みやすい準備をする。
- 口の中へ(口への取り込み)
- もぐもぐ(咀嚼(そしゃく)と食塊の形成):舌と歯を使って、唾液と混ぜられ飲み込みやすい形にする。
- 舌を動かして(咽頭への送り込み):舌の運動によって食塊を咽の奥へ移動する。
- ごっくん(食道への送り込み):「ごっくん」と飲み込む(嚥下)過程。うまく飲み込めないと気管に入って誤嚥(ごえん)してしまう。
嚥下食の実際例
当院の嚥下食です。
嚥下食1
- エンゲリートのみ(指定)
- 栄養価ほとんど無し
嚥下食2(ゼリー食)
- つるんとしたゼリー
- ざらっとしたゼリー
- 栄養価ほとんど無し
嚥下食3(増粘固形食)
- お粥ムース3分の1(60グラム)
- 肉又は魚を固めた物
- つるんとしたゼリー
- ざらっとしたゼリー
- 主食の変更可能
- 栄養価低い
- 毎食練物付(練り梅、鯛味噌等)
嚥下食4(ペースト追加食)
- 全粥並量(270グラム)
- 肉又は魚を固めた物と野菜
- 野菜を固めた物
- お茶、ジュースゼリー
- 主食の変更可能
嚥下食5(移行食)
- 全粥並量(270グラム)
- 肉又は魚を固めた物と野菜
- 野菜を固めた物
- 主食の変更可能
どうやってつくるの?
嚥下訓練食を作るポイント
(1)毎食主食・主菜・副菜をそろえましょう。
(2)野菜は歯茎でつぶせる柔やかさにしましょう。
(3)ひと口大(スプーンに1個のる程の大きさ)にしましょう。
(4)肉、魚、卵などはミキサーを利用し滑らかにしましょう。次に増粘剤で固めましょう。
ほうれん草など菜っ葉類は口の中に張り付いてしまうので、必ずミキサーにかけて固めましょう。
パサつくものは“あんかけ”にするなど水分を加えましょう。
嚥下訓練食の作り方
(1)材料を柔らかくします。肉や魚は煮物にします。
(2)それぞれをミキサーにかけて滑らかにします。魚や肉は繊維が残りやすいのでミキサーにかける時間を長めにしましょう。
(3)裏ごしします。(繊維が残っているので)
(4)重量を計量し、1パーセントから1.2パーセントの増粘剤を加えます。当院ではスルーパートナーを使用しております。
(5)鍋にあけ、弱火から中火程で加熱します。焦げ付きやすいので混ぜながら加熱しましょう。
(6)ボコボコと沸騰してから(80度以上)1分間加熱します。80度以上に加熱しないと固まらないのです。
(7)器にあけ常温(又は冷蔵庫)で40度以下になるように冷まします。
(8)型を抜いて盛り付けて出来上がり。