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脂質異常症の食事について

更新日: 2014年12月1日


 脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が高い状態もしくはHDLコレステロールが低い状態をいいます。
 これらを放置すると、動脈硬化が進行し心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こしやすくなります。


脂質異常症 スクリーニングのための診断基準(空腹時採血)


高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール 140mg/dl以上
境界域LDLコレステロール血症 LDLコレステロール 120~139mg/dl
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dl未満
高中性脂肪血症 トリグリセライド 150mg/dl以上

リスク区分別管理目標値


治療方針の原則 管理区分 脂質管理目標値(mg/dl)
LDL-C HDL-C 中性脂肪 Non HDL-C
一次予防 カテゴリーⅠ  < 160  ≧ 40  < 150  < 190
カテゴリーⅡ  < 140  < 170
カテゴリーⅢ  < 120  < 150
二次予防 冠動脈疾患の既往  < 100  < 130

 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」を参考に作成
non HDL-C = 総コレステロール(TC) - HDL-C


脂質異常症を予防するには・・・


  • 適正体重を維持しましょう。
  • 適正なエネルギーをとりましょう。
  • 1日3食、バランスよくとりましょう。
  • 脂肪の質と量に注意しましょう。
  • 野菜・海藻類・きのこ類・果物を十分にとりまよう。(特に緑黄色野菜)
  • 大豆製品を積極的にとりましょう。
  • 節酒に努めましょう。(例えば、ビールなら中ビン1本または日本酒なら1合程)
  • 適度な運動を心がけましょう。
  • 禁煙

標準体重と1日に必要なエネルギーの求め方


  • 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
  • 1日に必要なエネルギー(kcal)=標準体重(kg)×体重1kgあたりに必要なエネルギー量(27~30kgほど)

脂肪の質と量の注意点


  • 動物性脂肪(肉の脂身、内臓、洋菓子など)のとりすぎに注意しましょう。
  • コレステロールの多い食品は控えましょう。
  • 青みの魚を積極的にとりましょう。

高LDLコレステロールが継続する場合は・・・


  • 適正体重を維持しましょう。
  • 1日3食バランスよく食べましょう。
  • 脂肪の質と量に注意しましょう。
  • コレステロールの多い食品は避けましょう。(1日200mg以下)
  • 適度な運動を心がけましょう。
  • 禁煙

控えるのが望ましい食品


  • 鶏卵(黄身=週に2~3個までに)
  • 魚卵(いくら、すじこ、たらこ、もみじこなど)
  • 肉の脂身(ばら肉、皮など)
  • 肉の内臓や丸ごと食べられる魚(モツ、レバー、鮎やししゃもの内臓、魚のきもなど)
  • トランス型不飽和脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)
  • 生クリームやバターを材料にした洋菓子(クッキー、カステラ、ケーキ、シュークリームなど)
  • アルコール(日本酒なら1合またはビールなら中ビン1本までなど)

積極的にとるのが望ましい食品


  • 青み魚(さば、いわし、さんま、あじなど)
  • オリーブオイルなどオレイン酸が含まれている油(摂りすぎ注意)
  • 大豆、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)
  • 野菜(特に色の濃い野菜や繊維の多い野菜、山菜など)
  • 海藻(昆布、わかめなど)
  • きのこ類
  • こんにゃく

高トリグリセライド血症又は低HDLコレステロール血症が継続する場合は・・・


  • 適正体重を維持しましょう。
  • 糖質のとりすぎに注意しましょう。
  • 適度な運動をしましょう。
  • 禁煙

控えるのが望ましい食品


  • ごはんやパンなどのとりすぎに注意
  • 甘いジュース(砂糖入り、微糖など)
  • 洋菓子(クッキー、ケーキ、カステラ、シュークリーム、アイスクリームなど)
  • 和菓子、キャンディ
  • 果物(りんごなら1日1個程度)
  • 油を使った料理(天ぷら、唐揚げ、ファーストフードなど)
  • 食塩(1日6g未満)
  • (味噌汁は1日1杯までに。漬物、加工品、パンなど)

積極的にとるのが望ましい食品


  • 野菜(特に色の濃い野菜や繊維の多い野菜、山菜など)
  • 青みの魚(さば、いわし、さんま、あじなど)
  • 大豆、大豆製品(豆腐、納豆など)

コレステロールが多く含まれている食品


コレステロールが多く含まれている食品


食品名 数量(g) コレステロール含有量(mg) 飽和脂肪酸含有量(g)
鶏卵 50 210 1.3
鶏レバー 4 148 0.3
豚レバー 40 100 0.3
豚バラ肉 100 70 15.4
豚ロース肉 100 62 8
牛バラ肉 100 98 15.8
牛肩ロース肉 100 69 9.9
牛肩肉 100 72 6.8
牛サーロイン 100 86 11.4
牛レバー 40 96 0.4
ベーコン(2枚) 40 20 5.9
ソーセージ(2本) 40 23 4.1
いくら 30 144 0.7
たらこ(1/2腹) 40 140 0.3
あんきも 20 112 1.6
ししゃも(3尾) 60 138 1
しらす干し(大さじ3杯) 20 48 0.1
わかさぎ(大さじ3杯) 30 63 0.1
うなぎのかば焼き(1串) 50 115 2.7
するめいか(1/3杯) 80 216 0.1
うに(大さじ1杯) 15 44 0.1
バター(大さじ1杯) 13 27 6.7
生クリーム(大さじ1杯) 12 14 3.5
シュークリーム(1個) 60 150 2.4
ショートケーキ(1個) 100 150 5.3
カステラ(厚さ2cm) 35 56 0.5

 「五訂食品成分表2002年版」を参考に作成


飽和脂肪酸が少ない肉類


飽和脂肪酸が少ない肉類


食品名 数量(g) コレステロール含有量(mg) 飽和脂肪酸含有量(g)
豚ヒレ肉 100 65 0.5
豚もも肉 100 71 5.1
豚肩肉 100 69 5.4
牛ヒレ肉 100 66 5.8
牛もも肉 100 73 5.7
鶏ささみ 50 26 0.1
鶏むね肉皮なし 100 73 0.4
鶏むね肉皮つき 100 86 4.2
鶏もも肉皮なし 100 77 1
鶏もも肉皮つき 100 90 4.6
鶏手羽骨付き肉 50 70 1.1
ロースハム(2枚) 40 16 2

 「五訂食品成分表2002年版」を参考に作成